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この「掲示板」の「ナラ枯れ」の記事(10/24付)を見た高橋正克さん(箕面だんだんクラブ)から、著しい「ナラ枯れ」被害を受ける近畿の日本海側方面の現地情報などが寄せられましたので、ご紹介します。
(なお、高橋さんの2回のEメール文を合成。また、(注)や【解説】などをつけ加えています)。
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以前に朽木(くつき)村(現滋賀県高島市)観光協会の案内で、 芦生(あしう)の森(注1)を5回ほど歩きました。
この地区ではミズナラの木が枯れていて、問題になっていました。
・・自然観察員の説明では、ミズナラが細菌に侵されて枯れてきていると説明していました(05年)。
ついでながら、芦生の森を歩いたとき、観察員から「シカの食害等で、木の実や育ち盛りの若葉を食べられてしまって実生の苗が育たず、古木だけが残ってきている。古木が枯れてしまえば、いずれこの森は消えてしまうかもしれない」と話されていたことが、強烈な印象として残っています。
また、昨年と今年の5月に、近江今津の酒波寺から福井県三方五湖の奥まで22.5キロの近江坂古道(注2)を歩きました。
とくに近江坂古道の福井県側はミズナラが枯れて落ち葉がなくなり、山に保水力が無くなって、古道に水が流れ込んできて柔らかい土が流されてしまって岩肌の出た歩きにくい道に変わっていました。
ガイドしてくれた今津山上会の藤原会長の話では、ミズナラが枯れて山に保水力がなくなったためだと話していました。
そのミズナラの立ち枯れで、途中で立ち枯れのミズナラに なめたけがびっしりとできていて、天然のなめたけを採って炊き込みご飯などにして舌鼓をうったという余禄がありました。
参考に立ち枯れのミズナラにできた、なめたけの写真を添付します。
ミズナラが枯れる原因は、カシノナガキクイムシやナラ菌の影響が言われていますが、松枯れについてもいろんな説が出ています(ので、参考になります)。
自然農法の創始者・福岡正信氏は、(松枯れは)山林の土壌が強酸性なっているからだといわれています。(箕面だんだんクラブのブログ「第118話 枯れた松の大木を伐採しました」を参照)
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【解 説】
高橋さんによるナラ枯れの原因ついて、福岡正信さんが自ら調査・研究した結果、松枯れ発生の遠因(基盤的な状況)として「土壌の酸性化」をあげている点を結びつけた指摘は、非常に示唆に富んでいます。
福岡さんのいう「土壌の酸性化」とは、この数十年、里山などの放置により松の周囲に落ち葉や枯れ草などの有機物が過剰に堆積・分解し酢酸などの有機酸が生まれ、土壌が強酸性化して、松の高齢化とも関係して健康度が低下し松枯れを促進するとの見方です。
なお、若い元気な松では、松枯れが起こりにくいことが知られています。
松枯れの直接的な原因は、アメリカからの外来昆虫の関与(媒介)によります。
一方、ナラ枯れの直接的な原因は、日本に昔からいる在来昆虫の関与によることが突き止められています。
在来昆虫によるにもかかわらず、ナラ枯れの被害がなぜ日本海側から大きく広がって来たのかの理由が、必ずしもハッキリしていませんでした。
もし土壌の酸性化が遠因とすれば、大陸での大気汚染(公害)が流れてきてその影響により日本海側で酸性雨が降る程度が高い、あるいは、有機物の分解速度が寒い地方ではやや遅く土壌中に有機酸がたまりやすいなどの事実とも結びつきます。
つまり、日本海側では木が弱っていて、ナラ枯れに見舞われやすかったとの推定です。
なお、ナラ枯れも高齢木(大木・高木)で、起こりやすいようです。
高橋さんの指摘(仮説としての)は、ナラ枯れ対策を考える上での重要なヒントとみられます。
(注1)芦生の森:
茅葺きの里で有名な京都府南丹市美山町の東北部の芦生地区に広がる約2,000haの原生林。福井県・滋賀県(高島市)にも接する。この森は、京大の「研究保護地区」(芦生研究林)として管理され、入山前には手続きが必要。
(注2)近江坂古道:
滋賀県高島市今津町の酒波寺〜福井県三方上中郡若狭町の闇見神社を山道で結ぶ古道(22・5km)。今津町の「今津山上会」が中心になって整備(この9月頃、ほぼ整備完了:「京都新聞」)。
【写真】立ち枯れたミズナラ。なめたけがびっしり生えている(高橋正克さん提供)。
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